写真が公開出来る枚数を超えたため、不特定に削除が始まりました。
どうぞご了承ください。
 
ホームページ「ユーチューブ」を見て、来店してくれたお客様。
「クーラントが減る」からエンジンOHをしたい!とのことでクルマを預かりました。

写真はMWMモトア放送に公開します。

前オーナーか購入した車屋さんかは不明ですが、クーラントが減るのでラジエータを交換したけど直らなかった。見た限り漏れてる形跡は無い。ターボとコンピュータが変わっていてブーストコントローラーで制御している。
この3点をお客様から聴いて作業スタートです。

仕事の効率を考えるなら、そのままリビルトエンジンに載せ換えて終了!がベストですが、このリビルトに苦い経験がある事と、クルマとはエンジンだけで動いている訳ではなく全てのパーツが上手に機能して始めて調子良く動く乗り物であるため、先ずはクーラントが減るといっても乗れる状態だったので試乗から開始しました。

デフ下の心地よい?サウンドを聴きながら判明したこと。
1.ハンドルが勝手に左に回りだす。「車が左に行く」
2.ベルトが鳴く。
3.ドライブシャフトからカラカラ音。
4.ブレーキ効き悪い。
5.クラッチを踏んだ時に違和感がある。
6.ハンドルに左右ガタだけでなく前後ガタがある。
7.リヤアクスルベアリングの音。
8.アイドリングが下がらない時がある。

エンジンに関しては、掛かり具合と音、そして加速感を総合すると全く問題ないレベル、「ただしマフラーから独特の甘い香りと白煙あり」ミッションも2-3速間はしょうがないとして他は問題なし。

無事に試乗完了!次はいよいよリフトアップして車両点検、先ずは下から覗いていきます。塩カルと潮風の影響を受けない県からやって来たであろうと推測出来るキレイさに、ひと安心しながら点検して判明したこと。
1.オルタネータにクーラントが付着した跡がある。
2.フロント左タイヤに左右ガタがある。
3.ベルトは新しいがユルミがある。
4.フロント右のフレームパーツに交換の形跡あり。

次にリフトを下げエンジンルームの点検です。
アーシングやらホーンやらHIDやら何やらの社外パーツとハーネスで「ごちゃごちゃ」になっているのを何とか退けて判明したこと。

1.インテークマニホールド「INマニ」~オイルクーラーパイプ間のホースよりクーラント滲み。
2.エアコンベルト寸法違い。「長過ぎ」
3.スパークプラグ3番のみ汚れ大。
4.エンジンを掛けるとハンドル「タイヤ」が左いっぱいまで回ってしまう。

この辺まで来ると状態がだいぶ分かって来ますが、更にもう一歩踏み込んで「測定」に入ります。
 
明らかに一番右「3番シリンダ」の燃焼状態がおかしいのがプラグのみでも分かります。どうも3番の燃焼室にクーラントが浸入している感じです。
 
測定する項目は
1.エンジン圧縮圧力。
2.エンジン油圧。
3.ガソリン燃圧。
4.バッテリー充電電圧。
5.エンジン点火時期。

圧縮と油圧はOHをする上で非常に大切な数値です。
燃圧はOH前の試乗で高回転まで回し切れる状態ではなかったこともあり、現在の状態を把握するために測定します。
充電電圧は、エンジンを降ろすため悪ければ作業の流れで交換出来るためチェックしておきます。
点火時期は、ターボ交換などをした時にギリギリで調整していないかの確認と共に、今の状態を把握しておきます。
 
走行10万㌔強「メーターが正しければ・・・」でスロットルボデー付近のオイル付着具合から推測すれば、標準より若干高いのも納得です。
燃焼室内に入ったオイルは燃焼によってカーボン「炭」となり蓄積されていきます。「続く」
 
「続き」 ですので1番.2番共に標準よりも圧縮が高くなっています。ブローバイガスの状態からも、ピストン回り「リング.シリンダ」に大きな被害は無さそうです。次の3番はどうでしょうか?
 
一番標準に近い数値です。やはりクーラント浸入で異常燃焼しカーボンが除去されています。全ての圧縮に差もほとんど無く良い数値なのでバルブの当たりも良さそうです。これなら交換部品が少なく済みそうです。
 
点火時期は「固定」で少し遅れ気味です。これはF6Aにも共通していますが距離を走ると「遅れ気味」になる傾向があるので、OH後に標準に調整します。「この位では体感しませんが・・・」
 
燃圧です。ここで大切なことはポンプONで示す数値だけでなく数分後の数値も知る必要があります。写真は数分後のモノですが、ポンプON時でもいくらか低い数値だったため「ほぼ問題無い範囲」念のためにプレッシャーレギュレータを交換しました。

燃圧の概念がないと分からないトラブルもあるので「昔泣かされました」この辺は経験を積むしかありません。
「燃圧が低いとエンジンは気持ち良く吹け上がりません。」
 
油圧です。アイドリング状態ですでに基準に達し測定回転時では大きな油圧を発生していました。完全暖機後の測定で外気温が低い事を考慮しても高すぎのためリリーフバルブを交換しました。「漏れと抵抗」の原因となります」
 
電気負荷時でも良好でした。今回はO.Kです。
 
ここまで来れば車両の状態が「まずまず」であると判断出来ます。
クルマは消耗品の固まりであるため、経年劣化による「機能.性能」の低下は避けて通れません。
それでも走り続けるクルマって本当にすごいと思います。
そしてそんなクルマを作っているメーカーもすごいと思います。
後は、修理屋がどれだけ出来るか!ですね。

エンジンの状態を試乗.点検.測定した結果、OH出来るエンジンであると判断したためいよいよ降ろします。
この時も部品の状態を把握しながら分解していくと、時間は掛かりますが見積もりを作成する際にとてもスムーズです。

降ろしている時に判明したところ。
1.エンジンメンバー「リヤ側」のマウントの破損とカラー「スペーサー」の削れ。
2.ゴム類「ホース等」の劣化





 
このカラーにキズ「凹み」が入っているのは前からの強い衝撃によるものです。残念ながらエンジンメンバの曲がりとメンバ取り付け箇所の寸法に狂いが生じていました。ハンドルの上下ガタとパワステ不良も事故による衝撃のせいだと推測できます。
そしてステアリングラックの取り付け部も変形。
ここまでフレームが損傷しても直して乗る人、又は売る人がいるのだからアルトって・・・「多分私の腐食修理も同類かも・・・」

無事に降りたので気になるクーラント漏れからチェックしていきます。
 
うっすらと残るクーラントの跡・・・完全に劣化したホースと錆びたパイプ。
対策品の強化ホースが存在しているので、K6A特有の不具合箇所の1つです。

お客様にはここの漏れが原因であると伝えましたが、今写真を見ながら振り返ってみるとヘッドガスケットのクラック「亀裂」がやはり一番の原因・・・つまりブーストの上げ過ぎであったのだと思います。

数か月前にやったK6Aはクーラントがシリンダ内に大量浸入するほどの歪みっぷりを披露してくれましたがクラックなんてどこにも無かったから、減るけど走る事が出来る程度の状態はブーストの上げ過ぎが怪しいかも知れません。「データーを集めます」

こういうホースとの繋ぎに使われているパイプのほとんどが腐食。
シリンダライナ上部も腐食していたことを考えると、クーラントというより「水」を入れていたのでは?断言出来るくらいK6Aにしては珍しい腐食ぶりです。
 
ここからはエンジン単体にするために、順番に部品を外していきます。

ここでも時間は掛かりますが、ネジの状態から始まって各パーツの良否を判断しながら外していきます。
特に社外のパーツが付いている時は問題無く組まれているか、どこか干渉していないか確認する必要があります。

この純正以外のパーツの取り回しが実は一番厄介であり、やりがいもある作業のひとつであるため、お客様とどこまでやるか!をよく話し合う必要があります。

ではスタートします。先ずはターボ回りです。


 
ハイフロー程度かと思っていたのですが、在庫であるH系前期型のワークスR用と同寸の羽。

お客様の用途が通勤と雪遊びだと聴いていたので、正直適さないタービンです。パワー感を楽しむだけなら問題無しですが、通勤では回さないであろう6000回転上から始まるパワー。その割に9000回転行くまでに終了してしまう狭いパワーバンド。挙句の果てにZのミッションではとんでもない速度域に達してしまい、これを公道でどうこうするにはあまりに危険です。

パワーがあるクルマを所有する喜びみたいな気持ちは分かっているつもりなので「危ないよ!」位は伝えましたが、ダートラを始めて改造した車に乗れば乗るほど一般公道はノーマルの様に低速から力が出る仕様の方が楽しいこと実感しています。

最後にエキゾーストマニホールドにクラック「亀裂」を発見。まだ排気漏れするほどではないことと予算の都合で見送りましたが、こういう状態にあることを伝えるのも修理屋の仕事です。
 
次はエンジン裏の部品を外していきます。ハーネス、オルタネータ、セルモータの順番です。
 
C系初期の頃はカプラが焼けているモノを何台か見た事があるのですが、それ以降の年式では見た事がありません。確実に改良を重ねながら進化を遂げていく部品達。

でも事故車などには注意が必要です。調子が良ければ問題ありませんが、そうでない時こういったハーネスの断線も疑うべきポイントです。実際に何台もハーネス断線車を見てきています。
後は端子の腐食です。時間に追われて作業するほど見落としがちなポイントなので十分確認していきます。「組んだ後に調子悪い方がよっぽど時間が掛かります」
 
セルモーターとフライホイールはギヤの状態を一番に確認します。
距離を走っていなくても頻繁にON.OFFを繰り返しているクルマはビックリするほど削れています。
今までの経験でいくと、オルタネータはよく壊れますがセルモータ不良は少ないです。

次は正面から見て右側のディストリビュータ回りを外します。
 
550ccのキャブ車の頃は機械式だったので、車検の度に接点を点検して点火時期を調整していましたが、ワークスが誕生したあたりから電子式となり、ほぼメンテナンスフリーとなっていますが、接点の摩耗や劣化は発生するのでキャップとローターそしてコードは点検する必要があります。
写真はありませんがイグニッションコイルの接点も確認する必要があります。

そんな点検さえ不要になったのが新規格から始まったダイレクトイグニッションシステムです。スパークプラグに直接イグニッションコイルが刺さっているため電気ロスが大幅に削減、イイ火花が飛びそうです。

ちなみにSR-FOURも同システムを2気筒に採用。
新規格が排気ガス対策の一環での採用だとするなら、SR-FOURは間違いなく高回転時の追従のためであると思います。

次はインテークマニホールド回りです。



 
見るからにごちゃごちゃしています。しかも経年劣化で固くなっているので、このあたりを触る時は注意が必要です。しかもインジェクタまで変更されているので余計に注意深く点検しながら外していきます。
 
水温計とファンスイッチが合体したセンサーです。C系の頃は別々だったのですがH系から簡素化がスタートしています。
結構壊れてファンが回らなくなったりします。ちなみにこの車両も壊れていました。
 
吸気温センサです。吸気温度によっても噴射時間を変えています。それもプログラムの許容範囲内の話ですが・・・
ダイアグで出る不具合なら判明しますが、経年劣化による狂いが出ていると思いますが、ほぼノントラブルです。
 
PCVバルブです。「たぶんプロポーショニングコントロールバルブ」
F6Aは1カム12バルブのNAのみ装着していました。
ブローバイガスを再度、燃焼させ有害ガスを還元する役割のモノです。

K6Aはエアクリーナに戻す式「F6Aはこれです」と共にPCVバルブも使用しているので、ただパワーだけではなく排気ガス対策も本格化しています。

ただエンジン内の圧力で作動しているため、不具合が起きるとアイドリング不良だけでなくエンジン内の圧力を閉じ込めてしまうこともあるのでマフラーから白煙が出た時はターボを交換する前にここを大気解放して確認する必要があります。
 
インジェクタの配線が1本断線していて泣かされたのを思い出します。
丁寧に扱いたい部品です。
 
スロットルボデーです。C系の頃はエアバルブ「自動チョーク」が中に組み込まれていましたが、H系から外に付きスロットルバルブを直接押す式に変更されています。

スロットルポジションセンサはC系もH系「初期」もマニュアル車はONとOFFしかないので、接点不良をおこさない限りほぼメンテナンスフリーです。

中の汚れもよほどでない限り不具合の原因になりにくいのですが、キレイな方が気持ちよいです。
 
ISCVです。「アイドルスピードコントロールバルブ」

アイドリングが高かったり低かったりするクルマの大半はISCの調整不良か作動不良によるモノです。

H系後期ともなると調整するネジが消滅してしまいますが、C系とH系前期なら調整可能です。

ただエアコン用のISCもあるので、その辺の兼ね合いがなかなか難しいクルマもあります。
 
あきらかに純正とは色が違うため、容量アップのインジェクタです。

何年も放置してガソリンがダメになってしまうとインジェクタだけでなく燃料のラインなどに詰まりが発生し始動不良をおこすクルマを見たことはありますが、プレッシャレギュレータの経年劣化以外はキレイなガソリンを入れていることを絶対条件としてほぼメンテナンスフリーです。

ただし、一度バラシた時はOリングなどの交換はした方が無難です。
 
インテークマニホールド「サージタンク付き」です。
K6Aで支えるためのステーが無い仕様を始めて見ました。
相当初期のエンジンです。

パイプの腐食がヒドイです。新品で4万円もするので再使用しましたが、パイプをネジで取り付けるなどの工夫があった方が良いと感じたので機会を見つけて作ってみたいと思っています。
 
ノックセンサーです。エンジンがノッキングを起こしたらCPにお知らせする部品です。その瞬間に点火時期を調節しノッキングを防ぎます。「ノッキングはエンジンへのダメージが大きいため」
これもH系から装着です。

きつい上り坂を走っていて「チリチリチリ」や「カリカリカリ」という音がエンジンから発生している時がノッキング「異常燃焼」している時です。
ノックセンサーは点火時期を遅らせて解決しようとする装置ですが、ガソリンの質や燃焼室内のカーボン「炭」の自然発火など機械的「電気的」なトラブル以外にも起こりえる症状のため完全解決は難しいです。
 
サーモスタットケースです。
このあたりの取り回しはF6Bに酷使しています。
インテークマニホールド同様、パイプの腐食がヒドイです。

入口と出口が同じケースに取りついているため構造を理解しないと最初は「?」でした。

ウォーターホースは全て交換です。
 
エンジン&ミッションマウントも劣化しています。前後左右に動くようになって来ると、干渉の問題や操作性の悪化、不快な振動の原因となります。
 
オイルクーラーです。エンジンオイルをクーラントで冷却する装置です。走行風で冷却する空冷式に比べると安定している感があります。
このパッキンもダメになるので交換します。
 
オイルプレッシャースイッチです。メーター内のオイルレベル警告灯はこのセンサーがお知らせしています。スズキに居た頃は良く交換していた記憶がありますが今はほとんど無いです。K6Aは非常に外しづらいところにあります。
 
いよいよミッションを外しました。クラッチ交換などの作業のついでにオイルシールの交換もオススメします。
作業しやすい時にやった方が間違いありません。
 
クラッチディスクが結構減っていたので、3点セットで交換します。ベアリングも回すと「ガラガラ」です。

これでメンバからエンジンを外してやっと単体になります。
これまでの作業中に交換した方が良い部品がたくさんありました。

部品同士が完全に馴染んでいるトコロをバラシてしまうので修理したあと、ただバラシただけの箇所「修理していない箇所」からクーラントが滲んだり、オイルが漏れたりするのは仕方がありません。
そうならないために出来るだけ新品にした方が問題ないのですが、そこまで想定した見積もりを作成する必要があります。
 
エンジンメンバーです。
ブッシュのヘタリ、メンバの曲がりがあります。
これで無事に単体になりました。
次からはエンジンのOHに入ります。
 
F6Aは気にもなりませんでしたが、K6Aはネジがゆるみづらいです。「ミッションとの結合部」 写真を撮ったか不明ですがこの部品を加工しています。

 
安いオイルフィルタは、ろ過性能が劣るのでオススメしません。エンジンオイルも粘度が高いと抵抗になります。
 
オイルの入り口であるストレーナです。網に金属片が付着していないのでメタルなどに大きな損傷は無さそうです。
 
結構焼けているのでオイル管理がイマイチだったようです。
 
いよいよ本題です。案の定3番のピストンは荒れています。意外と2番のピストンがキレイです。
写真では分からなかったですね、ガスケットのクラックが・・・
 
見事なまでに荒れています。他の2部屋はキレイなモノですが、これでもカーボンは結構付着しています。
 
シリンダ内もクロスハッチ「ホーニング仕上げ」が残っているので径もまずまずと予想できます。ただし外側上部の腐食がヒドイです。
 
コンロッドメタル「子メタル」です。剥離が始まっていますが大きなキズも無く「まずまず」な状態です。
 
クランクメタル「親メタル」です。線キズのようなモノが見えますがキズではありません。
私的なイメージは純正回転リミッター以内での使用であれば、何でも新品ではなく、馴染んでいるパーツはなるべくそのまま再使用した方が良いのでは?
と思っています。
トラブルによってできた痕ではなく、馴染む過程でできた痕であるなら、これこそ部品と部品が完全に馴染んでいることになります。

後、メーカーが定めるクリアランスの許容範囲もそうです。キツイ方が良いのかユルイ方が良いのか、やっぱり基準内が良いのか・・・
気持ち良く回るエンジン試行錯誤中です。
 
クランクもジャーナル部に七色の焼けが発生していないので問題無さそうです。オイルシールは交換です。
 
そして測定です。マイクロメーターはゼロ設定するために温度が20℃の時「ゼロ」になる基準棒が付属されています。
この基準棒が20℃のため室温20℃の部屋でエンジンを組んだりします。
そんな「限られた空間」を宣伝にするお店や、クリアランスを0.0001㍉まで「コダワル」お店には必要な設備ですが、当店はそんな空間を作る余裕はありませんし、そこに強い「コダワリ」もありません。

大切なのは基準を作ること、そして測定数値は目安であり大事なのは部品と部品の数値の差、つまりクリアランスだと思っているので、私の場合は同じ環境に置かれた新品のピストンやコンロッドを20℃棒で合わせないマイクロメータで測定。
その数値がメーカーが公表しているモノより0.020㍉小さければ、その後測定するOH中のピストンとシリンダの数値も0.020㍉小さく読めばモノの数値は大体許容範囲に入ります。
でも、この数値よりもクリアランスがどの位あるかでピストンとシリンダの状態は分かります。
しかもK6AのピストンはF6Aよりも大きなサイズ「0.020㍉位」が存在しているのでシリンダが0.030㍉前後であっても十分許容範囲内です。

ちなみにメーカーが定めるピストンとシリンダのクリアランスはゼロから0.020㍉で0.070㍉までが限度となっています。
今回のエンジンは0.040㍉だったので限度内には入っていますがクーラント浸入のまま走っていたことを考慮して交換しました。

「ウォーターハンマー」と呼ばれる症状で燃焼室内に気体ではなく液体が多量に入った時、ピストン上昇時に掛かる負荷はかなりのモノになり最悪コンロッドが曲がったりする程なので、ピストンピンがハマっている箇所なんて簡単に変形してしまいます。

エンジンは作り方「組み方」で性能が変わる楽しいモノです。
大量生産で作られた流れ作業エンジンでも普通に動くのだから、各パーツがスムーズに回る様に熟練工が調節しながら組んだエンジンなんて・・・
予算がある人にはオススメです。
 
歪みの修正「面研」です。若い頃見たヨシムラのビデオに写っていた定番上のヘッドを動かす「POP」の手。工作マシーンで作業することが当たり前と思っていた私にとってこの映像は衝撃でした。
まさに「魂を吹き込む作業」です。
と言う訳で当店もPOP同様「手」で面研しています。「慣れが必要です」

時間は掛かりますが、段々と面になっていく様は「治している」と実感出来ます。ディーラーを退社したのも直すどころか交換する仕事ばかりだったからです。「売上と効率」を考えれば仕方のないことなのですが、ディーラーだからこそ「治せる」はずだと思うのですが・・・
 
測定も終わり交換する部品も決まったので、後はキレイにして組み付けを始めます。
水ベースで洗浄しているためシリンダにうっすらサビが発生していますが、浮いている程度なので簡単に拭き取れます。

年末年始を跨いだ仕事だったため納期が急接近!
そのため写真を撮る間もなく作業に没頭。「結局間に合いませんでしたが・・・」
と言う訳で、ここで「修理RS/Z」は終了です。
全写真とパワステ不良の映像はMWMモトア放送に公開しますので、興味のある方はご覧になってみてください。

ホームページを更新することも立派な仕事ですが、修理する方の仕事を再開するためしばらく間が空くと思います。「雪走りする時間はあるのに・・・」

次回はRS/Rの予定です。
 
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