左が平成7年のRS/Zエンジン
右が平成10年のワークスRエンジンです。

あらゆる部品に互換性が全くない別モノとなっているので、
今現在の品番が分かる部品発注システムで
平成7・8年のRS/ZとワークスR、平成10年のRS/ZとワークスRの
車体番号から拾い集めた品番を照らし合わせ見た結果

平成7・8年に販売されたRS/ZとワークスRが前期型エンジン。
平成9・10年に販売されたRS/ZとワークスRが後期型エンジン。
と2種類のエンジンがあった事が判明!これで全然違うのも納得です。
 
状態を把握するため各パーツの寸法とクリアランスを測定していきます。

普通、日常で使われる単位は何メートルか何センチです。
いくら細かくても1mm単位です。

これを基準に想像していただきたいのですが
エンジン内は1mmをさらに100等分した単位、0.01mmを使用しています。
ここまで細かいと、ものさしで測定出来ないので
写真のマイクロメーターを使います。

この0.01mmは気温によって変化するらしく
マイクロメーターのゼロを確認するための棒には「20℃」と記入されています。
 
じゃあ20℃の環境で測定を行わなければならないのか?
私の答えは「NO」です。

これは若い頃に加工屋さんで実際に作業してきた経験からですが、
ゼロ確認棒を年間通して測定した結果、
0.01mm以上ずれた事はありませんでした。

ほとんどのエンジンパ-ツの製品誤差と隙間は0.02mmありますので
メ-カ-が公表しているクリアランスでエンジンを作るなら
温度は関係ありません。

ですが、製品誤差と隙間を0.01mm以下というこだわりで
エンジンを作るなら20℃は重要なポイントになってきますが、
そのレベルのエンジンを作る理由は0.1秒ではなく
0.01秒更には0.001秒のタイム差で勝負が決まる様な
レ-スの世界で使用するエンジンですよ!


 
当店は年間通して温度変化が少なく砂埃が舞わない
薄暗い部屋で作業をしています。
環境も大事ですが、一番は測定機器の見方と使い方だと思います。
目線と力加減で全然違う数値になってしまうので
何にしても経験がモノをいう作業です。
お金と時間に余裕が出来たら、在庫エンジンをバラして
寸法・重量・クリアランスが最適な部品で組んだエンジンを
作って見たいですね。

前期と後期
色々と測定して見ましたが
寸法やクリアランスに違いはありませんでした。
 
後期のRS/Zに乗るたびに、前期型よりも軽やかに回るなぁと思っていたのですが
その答えはクランクシャフトにありました。
前期と比べて形状的にかなり肉抜きされているのが分かります。
カム山の厚みや裏側も切削されていたりしていました。
回転運動を繰り返すパ-ツの軽量化が
軽やかに回る様になる事を教えてくれる
いい例のエンジンです。
本当に今までF6Aばかり触ってきた私にとって
K6AはGSX-Rを彷彿させる内容です。
さすが2輪を作っているメ-カ-です。

 
こう見て行くと、F6AとF6Bを上手に流用して作られた前期型K6Aを
本当の意味でK6A最大のメリットである軽量化をさらに推し進めた結果
強度と軽量のバランスが取れた後期型K6Aが完成した感じです。

そして現在、スズキの軽自動車に搭載されているエンジンが
全てK6Aという事から考えれば、新規格となって重くなってしまう車両に、
出来るだけ軽いエンジンを搭載させたいスズキの思惑が見えてきます。

でも、ワークスRの様なとんでもない車を作ってしまうスズキが
私は大好きです。
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