2010年5月9日
 
練習会ページで書いたFDです。
ミッションとクラッチの修理で入庫中に
私がダートラデビューしてしまったため
あれよあれよと言う間に
「高山さんのお陰でもあります!」
FDダートラ計画が実行されてしまいました。

高山さんのお陰と言うのは
たまたま修理代を払いに来ていただいた時に
「普段乗り用の車です」
たまたま弟くん「FDの持ち主で親友の弟でもあります」も
当店に様子を見に来ていたため
3人で車の話になりました。

そんな話の途中で
高山さんが言いました。
「前に知り合いがFDでダートラ出ていたんだよ!」
「もしかしたらパーツが残っているかもよ!」
「今、確認して見る?」
さっそく電話して確認後
「ロールバーからガードそしてオーリンズあるってよ!」

初期投資が安く収まるなら出て見たいと思うのが人間です。
「弟くんもそんな人間のひとりでした。」

「それじゃぁやりますかぁ!!」と弟くん

おぉいいねぇ燃えてきたねぇ
よぉしいっちょ作りますか!

こんな感じでスタートしました。
数日後
「23日休み取りましたんでお願いします」と弟くん
すごい!走る気満々じゃん!!

車が仕上がるか微妙ですが
とりあえずやれるだけやって行こうと
心に決めた私でした。「弟くん待っててね」!
ミッションは弟くんの知り合いが中古を持っていたのでそれを使用。
元のミッションはバラバラにばらしたので
時間がある時に組んでスペアにします。
ちなみに4速のシンクロハブが粉々になっていました。
「メインシャフトの先端もやせやせです」

クラッチは切れなくなってしまったのですが
原因は写真の様に
ベアリングを押すための棒の頭が折れていたためでした。
「この車のクラッチはATSさんのカーボンクラッチです」

私の加工ミスなのか
「元々プル式なのですがATSさん指定でプッシュ式に加工」
棒自体の不良なのか判断に迷ったため

とりあえず在庫品の強化ボルト「10T」を加工して
同等形状の棒を作って見ました。
こういう時に旋盤があると便利です。
「なかなかの出来ばえです」
 
2010年5月18日
 
なんとか参戦のメドがたちました。
速い遅いは別としてFDが土の上を走るのは魅力的です。
「残念ながら私は見る事は出来ません」

初めてのダート走行がレースなんて
無謀!
という声も聴こえてきそうですが
私の経験からすると
「雪道で遊べるなら大丈夫です」
ただ速い遅いはまた違うポイントです。

練習もいいですが、私がそうだった様に
本番で楽しめなければ意味がありません。
そう
本番を走らなければ練習も何もありません。

後は
23日に走った後に弟君が何を感じるかです。
色々は本番を走り終えた後に分かります。

では
前回の続きです。

思いのほか上手に出来た棒のお陰で
スムーズに作業が進み無事にミッション交換が終了!

いよいよ
ダートラに参戦するための準備に入ります。

先ずは足回りの交換です。
高山さんが紹介してくれたお陰でGETした
「オーリンズ!」を組み付けます。

その前に
未然にトラブルを防ぐ意味をこめて
ダブルウィッシュボーンのOHをして行きます。

基本的にアルトがメインのため

こんな大がかりな足回りをバラシた事がありません。
こういう場合は構造を理解しながら
丁寧に外していくのがベストです。

テインの車高調が入っているので
少なくとも新車の状態から一度はバラシた事があると
判断出来ますが
そうはいっても平成6年の15万㌔越えの車両です。
「6年といえばC系ワークス最終型と同じです」

アルトなら間違いなく
ブッシュとボルトがサビで固着し
ブッシュなんてヘナチョコになっていて
分解するだけでも多大な手間が掛かるのですが

このFD
ネジの固着は10数ヶ所ある内、たったの1ヶ所!
しかも軽傷!
あれよあれよという間に分解完了です。
唯一苦労したのはABSのセンサーのみ!
これが軽自動車と普通車の違いなのか?
アルトとFDの違いなのか?
とにかくネジの固着が無い事にビックリです。

その理由を探ろうとブッシュを動かして見ると!!!
リヤのほとんどがピロブッシュ!!!
ピロじゃない所も中の軸が回転!!
唯一アルトと同じブッシュはトレーリングアームのボデー側のみ
というとんでもない仕様になっていました。

純正でピロを使っているなんて想像もしていなかったため
一気にFDを作ったマツダのこだわりを感じるとともに
バブリーな時代に生まれた恩恵だなぁって思いました。
「現行のマツダ車にも付いていたらすいません」

ピロも凄いですがアームの材質も凄い!
ハブも含めてほとんどアルミですよ!
この車はいったい何者?
走る事に力を入れていたのは外観で分かりますが
ここまでこだわって作っているのを知ってしまうと
どれだけの人がこのこだわりを理解して
FDを楽しんでいるのだろう?って・・・

市販車であるが故に
乗りっ放しで終えた車両だっているはずです。
この辺のジレンマ見たいなモノが
作り手と整備する人は絶対感じていたはずです。

ピロブッシュブーツは定期的に交換してグリスアップした方が良いですよ!
そろそろブッシュがヘタって来たので交換しますか?
車検の時に足回りのOHもいっしょにやりますか?
なんて言っても
車検に通るならやらなくてもいいよ。
走るのに困ってないから必要ないです。
とにかく安くやってください。

一般大衆車と同じ感覚でFDを走らせていた人
スタイルがカッコ良いだけで所有していた人
ベタベタにしてデカホイールを履かせて満足な人などなど・・・

はっきりいって
この足回りはオーバークオリティです。
十人十色、千差万別・・・
使用方法と交換サイクルを指定出来ない市販車には
あまりにもったいない・・・

だからこそ生産終了された今でも
FDが好きで乗っている方や
これからFDを乗ろうとしている方には理解して欲しい
マツダがこの車を作った理由を!

アルト以外でこんなにも興味をそそる車は初めてなので
つい熱く語ってしまいましたが
スポーツカーというのはアルトを含めた一般大衆車とは
全く違う方向から作り込んでいるのですね!
本当に素晴らしい足回りです。

 
2010年5月21日
 
ゴムを使用していないピロブッシュは
アルトでいうところのロアアームとタイロッドエンドに使用されている
ボールジョイントの様な構造になっているため
内部にグリスが充填されていれば水の進入を防ぎ
ボールがサビで痩せる事はありません。
また、グリスのお陰で外枠とボールが接触しないので
非常にスムーズに動きます。

興味深いのは
ピロと軸のみが回転するゴムブッシュと
アルト同様の通常のゴムブッシュを使い分けているところです。

上下運動しか行われないところは軸回転ブッシュ
ホイールアライメント調整によって前後.左右に
可動する部分にピロブッシュ。
そして可動するというよりはロアアームが駆動力で
前後しない様に支えている部分には通常のゴムブッシュ。

構造を理解してアルトの足を考えて見ると
軸回転ブッシュが欲しいところは
フロントのロアアームとリヤトレーリングアームの前側。
ピロブッシュが欲しいところは
スタビライザとロアアームが合体する部分と
リヤトレーリングアームの残りとラテラルロッド。こんな感じですかね!

軸回転ブッシュとピロブッシュを使っているという事は
メンテされていれば、よく動く足という事なので
路面が荒れているダート道を走る上で
結構メリットがありそうです。

ここからは
ノーメンテで来ているブッシュをメンテしていきたいと思います。
全てのブッシュを新品に交換する方法もありますが
私的には、トラブルによって完全固着しているか
あまりにも痩せてしまっているモノは別として
馴染みきって熟成の域に達している部品の動きは
新品のシブさが残る動きに勝ると思っているため
出来るだけ交換しない方向でやっていきます。
先ずは今の段階でどの位スムーズに動くか
ガタはないかなどを確認し
ゴムのシールを外し
ピロブッシュに付着している汚れをふき取り
新しいグリスを充填しながら
前後左右させながら回転させ
新しいグリスを擦り込む。

流れ的にはこんな感じですが
写真のピロはサビで痩せが発生していたため「少しです」
一度アームから脱着し、完全にグリスを含めた汚れを洗い流し
極圧に耐えると謳っているスーパーゾイルグリスを充填して見ました。

何分掛かったか覚えていませんが
グリグリやっているうちに
下から新しいグリスが滲んでくると
ガタがなくなってしまいました。
今は良くてもつかっている内にガタが発生するかも知れないので
弟くんにはモニターになってもらいます。



それとスーパーゾイルがどの位素晴らしいか確認するため
写真の足はリヤの右ですが
リヤの左は通常の安いグリスを充填。

月日が経過した時の動きとサビの状態
そしてガタの有無などで判断して見たいと思います。
「フロントも同じ様にやってあります」

ピロブッシュはゴムのシールが脱着できるので
グリスアップが可能ですが
軸回転ブッシュは分解出来なかったので
シールの隙間からグリスアップしておきました。

最初にネジの固着がなくてビックリしたと言いましたが
ほとんどのブッシュが固着もなくスムーズとまではいきませんが
役割を果たしていました。

今回のメンテによってカタカタと音が出ていたところも改善され
単体でとてもスムーズに動くようになりました。
この行為がタイムアップにつながるかは不明ですが
少なくともオーリンズの良さをさらに引き出すベースとしては
最良の状態になったのではと思っております。

次はGETしたオーリンズです。
高山さんの話だとかなり上手な人が使っていたらしいので
Cリングと減衰調節の位置は変更しなければなりません。

初心者と上級者では走らせ方「アクセルの開けっぷり」が
あまりに違うため足のセッテイングも全然違います。
バラすついでにヘタリの有無も点検します。

アイバッハ!
恥ずかしながら初めて聴いたメーカーの名前です。
高山さんに言わせるとかなり有名なメーカーらしいのですが
今回のオーリンズに組み合わされていたスプリングがアイバッハ!です。
GETする際にスプリングだけは返してくれ!と言われていたのですが
最終的に、とりあえず使っていても構わない事になったので
このアイバッハ!とオーリンズの組み合わせで参戦です。

参考までに使用していたテインと比べて見ました。
もしテインの減衰が生きていて車高調もスムーズに回せるなら
とりあえずダートを走る位なら何とかなりそうな感じです。
「残念ながら完全に死亡していますが・・・」

さすがオーリンズ
減衰の調節機能がついています。
最弱を押した感じはアルト用のカヤバダートリヤより柔らかいです。
最強はウンともスンともいいません。

私もそうですが初心者が乗る車は
なるべく柔らかくするのがベストだと思っています。
これは雪道を走ってみて感じた事ですが
固い足は荷重移動が掴みづらく
車の動きをコントロールし難い感じがしますが
その点柔らかい足はアクセルやブレーキそしてハンドルの操作に対する
車の動きがよくわかり、非常に運転しやすいです。
「ただしペースがあがってくるとお釣りが多くなってしまいますが・・・」
とりあえず減衰は最弱より半回転締めにしておきます。
そしてCリングの位置ですが
前オーナーはだいぶ下げてあります。
多分、路面に擦るか擦らないかギリギリのところが
このあたりなのだと思いますが
初心者はここでも最高を選びます。
上級者は路面を選びながら走る事が出来ますが
私を含めた初心者は選んでいる余裕などありません。
「運転するだけでいっぱいいっぱいです」
ですので車をいたわるというよりは
なるべく車を壊さないために
今回は一番車高が上がる様に調整しました。

補足ですが
完成したあと、いつもの林道に持ち込んだのですが
ゴロゴロした石や岩にも擦る事なく完走できました。
正直、車高の高さが一番気になっていたので、ひと安心です。
それにしてもFDであの林道を走る事になろうとは
ついこの間まで想像もしていなかったので
とても不思議な気分でした。
リヤだけでなくフロントも行いました。
フロントの方がピロ部が少なくハブもアルミではないため
普通な感じがしますが
バイクの様な対向4ポッドキャリパーだったり
アーム類は相変わらずアルミです。

オーリンズのセッテイングはリヤと同様に
最弱より半回転締めと最高の位置にして見ました。

これで一番手間が掛かると予想していた足回りが終了です。
後はロールバーとエンジンガードを付けて
その他モロモロやって・・・の予定でしたが
以外とロールバーには苦戦しました。
特にリヤ側は内装に穴を開けて貫通させなければ
取り付けが出来ないため
その穴をどこに開けるか!かなり苦労しました。

エンジンガードも中古だけあって取り付けステーに曲がりがあり
アルト用よりはるかにデカくて思いガードを持ち上げながらの作業は
思っていたより大変でした。

まぁ純正部品では無いモノを取り付ける作業には
様々な困難が待ち受けている事は知っているつもりなので
それほどではありませんがガードは重かったぁ・・・


最後に林道を走った感想です。
アルトだと最高な道幅もFDともなると狭すぎです。
イイ感じでお尻が流れだしてもすぐに道幅いっぱいに
なってしまうので、アクセルを開ける事が出来ません。
ただ
FR独特のお尻の流れ方はやっぱり最高です。
あんな感じでセルボっちを走らせる事が出来れば
こんな楽しい事はないなぁ・・・なんて思いました。

さぁいよいよ本番です。
最終チェックを済ませて早くセルボっちのメンテをしなければ
私が走れませんよ!
以外と林道が似合いませんか?
 
車高の高いFDも悪くありません。
 
レギュレーションで言うと完全にSCクラスです。
 
このFDは壊れる度にグレードアップして来ているので
お金も掛かっていますが、それ以上に愛情がたっぷりです。
全ての作業を私がやって来ているので妙な愛着があります。
 
続く
 
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